超古代文明---アトランティスの痕跡




 ジェームス・チャーチワードのムー大陸説(1929年発表)には、フィリップ・スクレーター命名(1864年)のレムリア大陸説(1859年)からのコピー的なものでしかないという評価があります。インド洋にあったというレムリア大陸説に対し、アトランティスで編纂されたというチベットの奇書『ドジャンの書』(サンスクリット語の遠い祖語であったといわれるサンサル語で綴られていたという)を元に著したといわれる、世紀のオカルト文献、ロシアのヘレナ・ペトロヴァーナ・ブラヴァツキー著『シークレット・ドクトリン』(1888年刊)においては、レムリア大陸は太平洋に広く及ぶものであり、南太平洋諸島がその名残りであるとしました。現在、琉球大学/物質地球科学科の木村政昭教授が調査中の与那国島海底巨大遺跡が、その大陸文明の一部であった可能性について私は密かに期待しています。
 
 アトランティス南極大陸説もかなり興味深いものではありますが、やはり大元の大西洋説にこそ信頼性のある情報があります。例えば、アメリカ大陸近くのサルガッソー海まで、メキシコ湾流に逆らいながら泳ぎ続けるというヨーロッパウナギや、大西洋上で旋回し力尽きて海に落ちるという不可解な行動を取るノルウェーの鳥類についてなど、これらはつまり、当時のアトランティスに渡りを行っていた動物(祖先)から引き継がれた本能行動がそのまま残ったものではないか、とも考えることができます。

 中でも注目に値いするのが、アトランティス大陸の名残りとしての可能性が高いとされるアゾレス諸島が上げられます(アタナシウス・ヒルキャーの説)。19世紀末に発見された、この海域を含む広範囲に拡がるカイロライナー・クレーター群原は、1万数千年前に激突した小惑星落下跡(パエトン大災害説)と見られており、これがアトランティス大陸崩壊の直接的な引き金となって極移動が生じたという見方もあります。
 このアゾレス諸島には、プラトン(427BC-347BC)のアトランティスについての記述、「建築材料には、黒、赤、白、三色の石が使われた」にも合致する色の岩礁が見られること。そして第二次世界大戦後、コロンビア大学のモーリス・ユーイング博士が、海底採取調査から推定1万5000年以降のいつかに陸地が34km沈んだか、海面が現在より34km低かったものと結論しました。また、アゾレス海台断面のソナー・エコーにピラミッド状の人工的な建造物が写ったという話しなどもあり、その他、ユーイング博士の考えを裏付ける地質学的・生物学的証拠が続々発見されているとのこと。諸説は様々ですが、何れも共に面白いものぱかりです。

 今、この私が強く関心を持っているのが、ギザ・スフィンクスの地下に埋もれているという謎の大空間です。以前、TV番組「世界ふしぎ発見」でも紹介されましたが、1987年に早稲田大学調査隊の電磁探査器によって発見されたものです。これが一体、何の空間(部屋)なのか?についてが、この私のオカルト的空想を一層、掻き立ててくれるのです。
 ボストン大学の地質学者ロバート・ショック博士が、スフィンクス本体に見られる深い浸食跡などからスフィンクスが定説上の古代エジプト文明よりも古い、7.000年以上も昔の建造物であるという説を発表(1992年)しました。このことによって、話しが果然と面白味を増したのです。
 人類最古といわれるシュメール文明でさえ6.000年前でしかなく、7.000年前のエジプトなどはやっと農耕・牧畜が始まった頃だといわれています。ついに研究家達の間では“ノアの洪水伝説”にまで話しが及び、スフィンクス建造はおおよそ12.000年以前といった考えまで飛び出したという。
 『旧約聖書』のノアの洪水や古代メソポタミアの『ギルガメッシュ叙事詩』など、世界中に残る大洪水伝説がただの想像の産物ではなく、太古の昔、現実にあった可能性が高いことが近年の考古学からも明らかになってきているようです。黒海の調査からは、沈没船タイタニック号の発見で知られる海底探検家のロバート・バラードらによって、黒海の底に古代の集落跡と、7.000年ごろを境に貝が淡水性から海水性に変わっている事実を発見し、ノアの洪水の根拠の一つとなる可能性として報道されました(朝日新聞/2000年9)。
 このノアの箱船と大洪水の話は、アトランティス大陸と文明の最後の名残であったポセイドン島(今日のアゾレス諸島)の大破壊(1万5000年前)の象徴的な記録だといわれています。

 今回、発見されたスフィンクスの地下室は、あの眠れる予言者エドガー・ケイシー(1877-1945年)が、「1998年に大スフィンクスに眠る記録の部屋の扉が開かれ、過去の叡智が開示される」と予言したことを想起させるものです。
 この私が知る秘教的知識によれば、アトランティス大陸の崩壊は98.000年前からの長きに渡り、南北アメリカ大陸の大部分がアトランティス大陸の名残り。現在のアゾレス諸島が残っている辺りにあったポセイドン島(ギリシャ神話の神名)が最後に沈んだのが約15.000年前、この時の洪水がノアの洪水伝説の元となった。エジプトはアトランティス文明後期の旧植民地で、16.000年前に移住してきた高官の指示で大ピラミッドやスフィンクスを建造しました(すでにかなり衰退した文明ですが)。
 この謎の地下室からは、その当時のアトランティス旧植民地都市が出現するものと思われます。その中にはアトランティスからの記録庫が在って、おそらく後世の人類へと宛てたメッセージが見つかる筈です。それには、アトランティス崩壊の真相と未来への警告が示されており、そして、アトランティス文明が後世へと伝えた現代文明を凌ぐほどの驚異的な叡智が出現するだろうと思います。
 更には、「エメラルド・タブレット」とオカルト研究家達が呼んでいるトート・ヘルメス神(ヘルメス・トリスメギストス)が所持したといわれる謎の石版も出土するかもしれません。現在は、アラビア語から更にラテン語に訳されたという写本だけが現存し、現物の石版の所在は全く不明。伝説では2万年以上も前に神聖文字で刻まれた石版であり、それには錬金術の極意が印されているといわれています。
 写本から解読されたその言葉は、「下にあるものは上にあるものに似ており、上にあるものは下にあるものに似ている。そして万物は・・・」と続く、魔術界においては非常に有名な名句です。

 1日も早い発掘が待たれるところですが、しかし、ここは高次の存在が守護し、古代の魔術がかけられているために、その“来るべき時”が来なければ決して封印が解けることがないといわれています。



以上

       宝珠愚者筆  2001.8.3


                             
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